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都市のすきまに木造を差し込む「prewood」、Design Educates Awardsブロンズ賞など3賞を受賞

都市のすきまに木造を差し込む「prewood」、Design Educates Awardsブロンズ賞など3賞を受賞

神奈川県厚木市に本社を置く建築系スタートアップ、VUILD株式会社(代表取締役CEO:秋吉浩気)が設計した木造モジュール工法「prewood(プレウッド)」が、3つのアワードを受賞しました。受賞したのは、Design Educates Awards 2026の建築デザイン部門ブロンズ賞、2026年度グッドデザイン賞、ウッドデザイン賞2026です。グッドデザイン賞では、審査委員を務める建築家・西田司氏の「私の選んだ一品2026」にも選ばれました。10月31日(土)からはGOOD DESIGN Marunouchiで展示されます。

都市のすきまに木造を差し込む「prewood」、Design Educates Awardsブロンズ賞など3賞を受賞

3つのアワードで評価された木造モジュール工法

  • Design Educates Awards 2026(主催:Laka Foundation)Architectural Design部門 ブロンズ賞
  • 2026年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)/「私の選んだ一品2026」選出(審査委員 西田司氏)
  • ウッドデザイン賞2026(主催:一般社団法人日本ウッドデザイン協会)ソーシャルデザイン部門・技術・建材分野

Design Educates Awardsは、ポーランドの非営利団体Laka Foundationが主催する国際アワードで、2026年で8回目を迎えました。テーマは「デザインは何を教えてくれるか」です。素材や構造、建設プロセスなどを通じて、建築そのものが知識を伝えるプロジェクトを評価しています。審査員には、プリツカー賞建築家の伊東豊雄氏、MIT Senseable City Lab所長のカルロ・ラッティ氏、ArchDaily創設者のデビッド・バスルト氏らが名を連ねています。prewoodは、Foster + Partners、Neri&Huなどと並んで建築デザイン部門のブロンズ賞に選ばれました。授賞式は10月16日にワルシャワ工科大学で行われました。

ウッドデザイン賞は、木を使って社会課題を解決するモノ・コトを表彰する制度です。文部科学省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省が後援しています。2026年は過去最多となる380点の応募があり、そのうち235点が受賞しました。prewoodは技術・建材分野(21点)のひとつとして、ソーシャルデザイン部門(新たな構造・構法・工法の技術)で受賞しています。受賞作品の中からは最優秀賞・優秀賞などの上位賞が選ばれ、11月10日(火)に発表されます。

グッドデザイン賞では「私の選んだ一品2026」にも

グッドデザイン賞の審査委員は、まず日本の現状について次のように指摘しています。日本でも、都市部の中高層建築物を木造化する事例が見られるようになってきました。ただ、現行制度においては、都市部で中高層になるほど防耐火に対する要求が厳しくなり、せっかく使った木を耐火被覆で覆ってしまう特殊な耐火木質部材を使わざるを得ないこと、構造設計が複雑であることなどがあります。その結果、中高層木造建築物はコストがかかるという印象が拭えず、デベロッパーの投資対象になりにくい状況だとしています。

そのうえでprewoodについては、実現のハードルが高い中高層建築物ではなく、それ以上に都市部の多くを占める中小規模建築で、しかも狭小敷地での木造化に取り組む視点に共感が持てると述べています。柔軟性のある固有のデザインを持ちながら、施工性や経済性を独自の技術力で支えている点も挙げました。特に、現状では分断されている木材供給側と建築側の産業構造をつないでいくことで、日本における建築の木造化に新たな視点を与える好例だと評価しています。

prewoodを「私の選んだ一品2026」に選んだ西田司氏は、「都市のすきまを木造モジュール工法で埋める画期的取り組み」「パネル工法にすることにより組み立てを簡易にする技術が秀逸」とコメントを寄せました。「私の選んだ一品」は、2026年度グッドデザイン賞の審査委員101名が、個人的なお気に入りや気になる受賞デザインをコメントとともに紹介する企画です。本年は選出デザインを3期に分けて展示し、会場ではトークイベントも行われます。prewoodは第2期「未来をつくるものづくり」(会期:2026年10月31日(土)から11月13日(金)までの14日間)で、GOOD DESIGN Marunouchiに展示される予定です。

Credtits: "AiF | Artur Brzozowski"
Credtits: "AiF | Artur Brzozowski"

都市の狭小地に向けた「分解・再利用可能な都市木造」

prewoodは、駐車場としての活用も難しい都市の狭小な未利用地に向けて開発された木造モジュール工法です。分解・移設・再利用ができ、都市部の中小規模建築を対象としています。構造体をモジュール化することで、狭小地特有の施工条件やコスト制約に対応します。職人不足と環境負荷の軽減という課題に対しては、デジタル設計とプレファブ化によって循環性と施工効率の両立を図っており、新たな都市木造モデルを体現しています。

一般的な木造モジュール建築やマスティンバー建築は、大規模化と規格化によって効率を上げます。これに対してprewoodは、日本の都市に多く残る小さな余白に合わせることを前提にしています。モジュールを少しずつずらして積み、敷地ごとに異なる表情をつくり出します。こうした小さな木造を都市のすきまに一つずつ差し込んでいくことで、都市の風景そのものを更新していくことを目指しています。

日本橋茅場町に建つ実証の第一号

実証の第一号として、東京・日本橋茅場町に2階建ての飲食店(延べ面積74.43㎡)が建てられました。主な特徴は次のとおりです。

  • 壁パネルは1枚200kg未満で、狭い敷地でもクレーンで吊り上げられる
  • 接合はビスのみで、建築金物を使わない(梁の接合部1か所あたりの試算で金物比−88%)。ビスは9種・約2,500本を使い、3Dプリンターでつくった角度ガイドを用いて打ち込む
  • 外壁の躯体工事は、大工ではなく足場職人の手によって2日間で完了
  • 防火地域の準耐火建築物として、燃えしろ設計によりCLTを表しで使用。大臣認定などの個別の認定は使わず、一般の告示仕様で建築確認・完了検査を受けた
  • ZEB Readyを達成。建設時のCO₂排出量(アップフロントカーボン)はRC造比で約29%少ない

この建物は2025年9月に竣工しました。用途・規模は、飲食店/木造2階建て、延べ面積74.43㎡です。事業主・設計は平和不動産株式会社、建築・監理はVUILD、構造・環境設計はArupが担当しました。施工では、建築をアトリエ海、製材加工を山大と篠原商店、CLT加工をVUILD、足場・建て方を東京BK足場がそれぞれ担っています。

出典:VUILD株式会社

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