V3D Asiaのマレーシア子会社がCIDB IBSと包括的MOUを締結、建設用3Dプリンターの国家標準化を主導へ

東京都千代田区に本社を置く建設テクノロジー企業のV3D Asia Inc.(以下、V3D)が、マレーシアの政府管轄機関と建設用3Dプリンター分野での連携に合意しました。同社はマレーシア子会社のNuvah Sdn Bhd(以下、Nuvah)を通じて、マレーシア建設業開発局(CIDB)傘下のCIDB IBS Sdn Bhd(以下、CIDB IBS)と包括的な基本合意書(MOU)を2026年10月9日に締結しました。合意の対象は、高度建設技術、産業発展、グローバル技術移転の3分野です。

「公認戦略的3DCPテクノロジーパートナー」としての位置づけ
CIDB IBSは、マレーシア政府と建設業界に向けて、IBS(工業化建築システム)やモジュラー建築、先進的な建設技術の導入と標準化を進める中核機関です。今回のMOUにより、Nuvah(V3D)はCIDB IBSの「公認戦略的3DCPテクノロジーパートナー」に位置づけられました。
マレーシアは国家戦略として、建設現場のDXと自動化を掲げています。V3Dは今回の合意を、自社の技術がその標準として採用されるための重要なマイルストーンと位置づけています。

共同で進める4つの取り組み
戦略的パートナーシップのもとで、両者は次の4つの取り組みを共同で進めます。
標準工法と構造計算ソフトウェアの共同開発・運用
マレーシア国内で建てられる3DCP建築物の構造安全性を担保するため、V3Dが持つ「3DCP構築壁の構造強度計算システム」をマレーシア仕様にローカライズします。開発と運用はCIDB IBSと共同で行います。
オペレーター資格制度の構築と、敷地内でのモデルハウス建設
建設用3Dプリンターを安全かつ効率的に普及させるため、CIDB IBSと共同で「3DCPオペレーター向けプロフェッショナル認定プログラム(資格制度)」と業界向けトレーニングを開発します。Nuvahはその独占的技術パートナーとして、運用を支援します。
あわせて、3DCP技術の実用性と品質を実証するため、CIDB IBSの敷地内にV3Dの3Dプリンターを使った100平米弱のモデルハウスを建設するプロジェクトも計画されています。
日本・グローバル技術移転プログラム
マレーシアの建設業界関係者を対象としたグローバル研修プログラムも実施します。参加者は日本の最新建設技術や、V3Dの開発・実証現場を視察し、ベンチマークを行います。
東南アジア全域への展開を見据えて
V3D Asiaは今後、このMOUを通じて、標準化や法規制整備といった「ルールメイク」の段階からマレーシアに深く関与していくことで、同国での事業展開を加速させる考えです。さらに、この枠組みを東南アジア全域へ横展開していくための強力なショーケースを構築していくとしています。連携の詳細については、後日マレーシアで開催される大規模建設展示会「ICW(International Construction Week)/ BINA 2026」で、署名式などを通じて大々的にお披露目する予定です。
V3D Asiaは、独自の材料開発力を起点に、建設用3Dプリンティング技術、建築システム、空間・不動産開発までを一貫して手がけています。「Material → Printing Technology → Building System → Property」という垂直的な事業構造により、技術を研究や実証にとどめず、人々が実際に暮らし利用する空間として社会に実装することを目指しています。マレーシアでの商用展開を担うNuvahは、V3Dが開発する材料と建設用3Dプリンティング技術を、住宅やヴィラ、リゾートなどの建築・不動産プロジェクトとして展開しています。








