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建築

久米設計の「ふじみ野ステラ・ウエスト」「Panasonic XC OSAKA」が2026年度グッドデザイン賞を受賞

久米設計の「ふじみ野ステラ・ウエスト」「Panasonic XC OSAKA」が2026年度グッドデザイン賞を受賞

株式会社久米設計が設計を手がけた2つの建築、「ふじみ野ステラ・ウエスト」と「Panasonic XC OSAKA」が、2026年度グッドデザイン賞を受賞しました。一方は大井中央公民館と大井図書館を建て替えた文化施設、もう一方はグローバルな企業グループの事業会社・関係会社が主に入居するテナントオフィスビルです。

撮影:アド・グラフィック
撮影:アド・グラフィック

図書館とホールがひとつになった「ふじみ野ステラ・ウエスト」

埼玉県ふじみ野市大井中央2-1-8に建つ「ふじみ野ステラ・ウエスト」は、ふじみ野市が建築主となった施設です。大井中央公民館と大井図書館を建て替えるもので、設計・施工に加えて20年間の維持管理までを担うPFIのプロジェクトとして進められました。延床面積は7,539.79㎡、地上4階地下1階で、構造はRC/SRC/S、2023年9月に竣工しています。施工者は次のとおりです。

  • アルソシア建設(総合)
  • 近藤建設(建築)
  • 関電工(空調・給排水・電気)
  • サンケンエンジニアリング(舞台機構設備)
  • 松村電機(舞台照明設備)
  • ヤマハサウンドシステム(舞台音響設備)

周辺の住宅街になじむよう、外観は低い「箱」が並ぶデザインにまとめられています。この箱は見た目のためだけのものではなく、建物全体を支える耐震要素としても機能しています。また、建蔽率40%という厳しい条件をクリアするため、図書館をあえて4つの階に分けて配置しました。各階では図書館をホールのホワイエと隣り合わせにし、間を低い家具だけで仕切っています。そのため、イベントのない日には両方の空間を一体的に使えます。

共用部には居場所を数多く設け、文化活動の様子が見えるようにしています。これにより新たな文化活動を促すとともに、図書館との相互利用も進め、文化施設と図書館が切れ目なく融合した「総合文化施設」を形にしました。ホールは、街に見立てた「箱」に囲まれた広場のようなつくりで、市民が気軽に催し物を楽しめるよう工夫されています。外構にも居心地のよいベンチを置き、いつも市民でにぎわい、文化活動が続いて発展していくことを目指しています。

審査委員は、大きなホールは使われていない時間に街との関係が薄くなりがちだと指摘しました。そのうえで、この施設はホワイエを図書館と共存させることで開かれたデザインを実現していると評価しています。開演時間以外にも使われることでホールが日常性を獲得し、図書館がホールをぐるりと囲むことで来館者同士が混ざり合い、ホールの利用者にも図書館が認知されるという点も挙げられました。さらに、スタジオや多目的ルームなどの箱が外に飛び出してファサードを構成し、街路に面した印象的な外観になっているとコメントしています。

撮影:アド・グラフィック
撮影:アド・グラフィック

シンプルさとウェルネスを両立した「Panasonic XC OSAKA」

大阪府大阪市中央区末広町2-40の「Panasonic XC OSAKA」は、パナソニック ホールディングス株式会社が建築主のテナントオフィスビルです。主な入居者は、グローバルな企業グループの事業会社や関係会社です。施工は松村組で、延床面積は26,720.65㎡、地上12階のS造として2024年8月に竣工しました。設計コンセプトには「ウェルネス・省エネなテナントオフィスビルのニュースタンダード」を掲げています。

テナントビルとしてのシンプルさと効率性を追求する一方で、働く場の心地よさにも配慮しています。各階には緑陰のあるウェルネスデッキがあり、最上階にはスカイテラスを設けました。木や緑を生かした設えに加え、1階には歩道と一体になった開放的なピロティ空間をつくり、ウェルビーイングなワークプレイスを実現しています。

環境面では、さまざまな省エネルギー技術を積極的に取り入れ、「ZEB Oriented」認証を取得しました。RE100の取り組みとして、CO2フリー電力での運用を見据えた全電化システムも構築しています。さらに、国際的な認証であるLEED(BD+C(CS))のCertifiedと、WELL認証(GOLD)も取得しました。汎用的でシンプルな手法を用いながら、国際認証に照らして高品質なオフィスを、高い経済合理性のもとで実現しています。

審査委員は、ファサードがシンプルで端正なグリッドのデザインでありながら、各階のオフィスにグリーンカーテンのバルコニーを設けたエシカルなデザインを両立している点を評価しました。ピロティをコモンスペースとして開放し、最上階にテラスを設けるなど、容積率の外側での仕掛けによって、テナントオフィスビルとしての経済合理性を損なわずに付加価値を生み出しているとしています。特別な設備を導入せずにワーカーのウェルネスのための空間と高い省エネ性能を実現した手法については、今後のプロジェクトの指標になり得るとコメントしています。

撮影:川澄・小林研二写真事務所
撮影:川澄・小林研二写真事務所

設計を手がけた久米設計について

株式会社久米設計は1932年の創設以来、数多くの都市や建築の設計に携わってきました。技術とデザインの融合を追求し、人と社会への貢献を目指しています。本社は東京都江東区潮見2-1-22にあり、取締役社長は井上宏氏です。社員数は約650名で、そのうち約450名が資格を持つ専門家です。国内外の幅広いプロジェクトに取り組み、技術とデザインによって持続可能な社会の実現に貢献していくとしています。

出典:株式会社久米設計

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