小山光+キー・オペレーション、「Architecture MasterPrize 2026」で商業・産業建築分野の中規模事務所賞を受賞 3作品も佳作に


事務所の仕事全体を評価する賞を受賞
東京都世田谷区を拠点とする株式会社キー・オペレーション一級建築士事務所(代表取締役:小山 光/KEY OPERATION INC. / ARCHITECTS)が、国際建築賞「Architecture MasterPrize(AMP)2026」で「Medium Firm of the Year Award in Commercial and Industrial Architecture(商業・産業建築分野 中規模建築設計事務所賞)」を受賞しました。この賞は、商業・産業建築分野の中規模事務所を対象としています。作品部門では、同社が設計した「深沢グランブロス」「中池袋公園 高窓の光庭〈Luce Jardin〉」「クックパッド池尻オフィス」の3作品が、それぞれHonorable Mention(佳作)に選ばれました。
AMPのFirm of the Yearは、個別の作品だけでなく、設計事務所がこれまで手がけてきた仕事全体を対象とする賞です。審査では事務所の規模や専門分野が考慮され、設計の質、革新性と貢献、専門性などの観点から評価されます。キー・オペレーションにとっては、2022年のArchitizer A+Awards「Firm of the Year Best of Asia」審査委員賞に続く、事務所としての国際的な受賞です。
同社は、敷地や法規、用途、構造、事業性といった条件を設計の出発点に据え、その場所ならではの価値をつくることに取り組んできたとしています。貸室面積や使いやすさを確保しつつ、街路に面した開口や庇、外部空間などを丁寧に組み立てることで、建築の質と事業の成立をともに考えているといいます。今回の受賞については、これまでの実践を振り返り、次の仕事へつなげる機会と受け止めているとのことです。

商業ビル、複合建築、オフィスの3作品が佳作に
佳作に選ばれた3作品は、用途がそれぞれ異なります。いずれの計画でも、街とのつながりや人々の活動を、建築の構成から考えています。
深沢グランブロスは、東京都世田谷区に建つ商業ビルです。柱・開口・庇を一体として計画し、丸柱と柱芯まで引き込んだガラス面によって、ファサードに奥行きと陰影を生み出しています。木の軒裏や植栽を組み合わせ、店舗の活動が街路へ伝わる構成としました。交差点側と区民センター側で人の動線を分け、区民センター側には共用ロビーなどを配置しています。隣接する広場状の空間との関係を生かし、貸室だけでなく建物へのアプローチまで含めて商業建築の環境を組み立てています。
- 所在地:東京都世田谷区
- 用途:商業ビル
- 竣工:2025年4月
- 受賞部門:Architectural Design – Commercial Architecture
中池袋公園 高窓の光庭「Luce Jardin」は、中池袋公園に面した敷地に建つ、店舗と住宅の複合建築です。公園との関係を各階へ広げるため、高窓部分を後退させ、そこに植栽を差し込む断面構成を考えました。テナント面積と内部への視認性を確保しながら、室内に光と緑を取り込んでいます。各階の植栽が公園の木々と呼応し、広場での活動を建物の中から感じられる関係をつくっています。事業上の条件と、公園に面するという場所の特性を、ひとつのファサードにまとめた計画です。
- 所在地:東京都豊島区
- 用途:店舗・住宅
- 竣工:2025年1月
- 受賞部門:Architectural Design – Mixed Use Architecture
クックパッド池尻オフィスは、クックパッド株式会社のオフィス移転に伴い、池尻大橋に建つ既存ビルの地下1階・1階・2階に計画されたワークプレイスです。街に開かれた1階と、外から内部の様子が見えにくい地下1階・2階という、既存建築の異なる性格を生かしています。各階にはそれぞれの活動に結びついたキッチンを配置し、料理や食事を通じて人が集まり、動線が重なり、日常の仕事の中で思いがけない会話が生まれる場と位置づけました。使い方を過度に固定せず、使われ続ける時間の中で組織の関係性や文化が育つ余地を残しています。
- 所在地:東京都目黒区
- 用途:オフィス
- 竣工:2025年8月
- 受賞部門:Interior Design – Workplaces Interior
なお、Architecture MasterPrizeは、建築、インテリア、ランドスケープなどの分野で優れたデザインを顕彰する国際賞です。個別作品を対象とする賞に加え、設計事務所の仕事全体を対象とするFirm of the Yearなどが設けられています。

Architizerの東京の建築・デザイン事務所ランキングで第6位
建築メディアArchitizerが発表した「30 Best Architecture and Design Firms in Tokyo」(2026年10月9日更新)では、小山光+KEY OPERATION INC. / ARCHITECTSが第6位に掲載されました。このランキングは、A+Awardsの受賞・ファイナリスト実績や、同メディアでの作品紹介・掲載実績などを基に作成されたものです。同社の紹介では、「yotsuya tenera」「ZOOM新宿御苑前」「桜木町の集合住宅」などが代表作品として取り上げられています。

設計者と建築主、二つの視点を持つ事務所
キー・オペレーションは、小山 光氏が代表を務める建築設計事務所です。2005年の設立以来、住宅、集合住宅、商業ビル、オフィス、店舗から霊園、駅施設まで、多様な建築に取り組んできました。小山氏は東京都立大学を卒業後、ロンドン大学バートレット校建築修士課程を優等修了し、東京工業大学修士課程も修了しています。デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツをはじめとする英国の建築設計事務所で実務経験を積み、英国建築家資格を取得。その後、ZARAの店舗開発部長として、設計を依頼し事業を進める立場も経験しました。2005年に事務所を設立し、2006年に株式会社キー・オペレーションへ改称しています。一級建築士、英国登録建築家(ARB)、英国王立建築家協会会員(RIBA)です。
建築家として空間の質を追求する視点と、建築主として事業の成立を考える視点。同社はこの二つを生かし、敷地や事業の条件に応答しながら、建築と街、人々の活動の関係を考えています。事業内容は、建築・インテリア・ランドスケープの企画、設計・監理、デザイン監修、リノベーション、不動産活用に関するコンサルティング、プロジェクトマネジメントです。








