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色を足さず、塗膜もつくらない。木目を見せたまま屋外木部を守る表面処理剤「CerPlus P105」

色を足さず、塗膜もつくらない。木目を見せたまま屋外木部を守る表面処理剤「CerPlus P105」

池上産業株式会社(本社:広島県福山市)は、2026年10月に屋外木部用の紫外線吸収・撥水剤「CerPlus®(サー・プラス)P105」の国内販売を始めました。開発したのは英国のENERGENICS EUROPE LTD.です。

屋外の木材は、無塗装のままにすると変色が進み、塗料で保護すると塗装した印象が加わります。CerPlus P105は顔料を含まず、塗膜もつくりません。木目と質感はそのまま見せながら、褪色・グレー化、材面の荒れ、黒ずみの進行をゆるやかにする表面処理剤です。

ベイスギの屋外暴露試験。0、6、12、18か月経過時の状態。(上段)未処理材、(下段)CerPlus P105処理材(出典:Energenics社資料)
ベイスギの屋外暴露試験。0、6、12、18か月経過時の状態。(上段)未処理材、(下段)CerPlus P105処理材(出典:Energenics社資料)

ベイスギの屋外暴露試験に見る、色と表面の差

ベイスギを用いた屋外暴露試験では、CerPlus P105を塗布したものは、18ヶ月間の屋外暴露後も、ベイスギ本来の褐色系の外観が多く維持されていました。色調だけでなく、表面の粗さの変化も軽減されることが確認されています。

英国で行われたベイスギの屋外暴露試験では、暴露から12か月が経過した時点で表面粗さ試験も実施されました。未処理材の表面の粗さは、暴露していない面の約6倍にあたる210µmまで増加しました。一方、CerPlus P105の処理材は41µmにとどまり、暴露していない面の35µmに近い滑らかさを保っていました。

  • 屋外暴露していない木材:35µm
  • 12か月間屋外暴露した未処理材:210µm
  • 12か月間屋外暴露したCerPlus P105処理材:41µm

木材表面の形状を測定したデータでも違いが表れています。未処理材では大きな起伏が繰り返し現れるのに対し、CerPlus P105の処理材では起伏が比較的小さくなっています。CerPlus P105が、色調の変化だけでなく材面の状態の変化も抑えることを示すデータです(出典:Energenics社資料)。

酸化セリウムナノ粒子水分散液(0.1 g/L)の吸光度。400 nmを超える可視光域ではほとんど吸収しない(出典:Energenics社資料)
酸化セリウムナノ粒子水分散液(0.1 g/L)の吸光度。400 nmを超える可視光域ではほとんど吸収しない(出典:Energenics社資料)

ロンドンの公園ベンチで、塗布から36か月後の姿

実際に使われている事例として、英国ロンドンのNine Elms Parkに置かれた木製ベンチがあります。このベンチは2022年5月に無塗装で設置され、約1年屋外で使われました。その後、2023年6月に表面をクリーニングしてからCerPlus P105を塗布しています。塗布から36か月が経過した2026年6月の時点でも、木目の見える明るい木材の外観が確認されています。座面を比べると、無塗装で約1年使用した時点よりも、塗布後36か月が経過した時点のほうが明るい木の色を保っています。

左は、ベンチ設置1年経過、クリーニング前(2023年6月)。右は、クリーニングし、CerPlus P105塗布後、3年経過(2026年6月)(写真提供:Energenics社)
左は、ベンチ設置1年経過、クリーニング前(2023年6月)。右は、クリーニングし、CerPlus P105塗布後、3年経過(2026年6月)(写真提供:Energenics社)

カギは酸化セリウム。紫外線を吸収し、可視光はほとんど吸収しない

太陽光には、木材の変色や表面の劣化を引き起こす紫外線と、目に見える可視光が含まれています。主成分の酸化セリウムは、木材がシルバーグレーに変わる一因となる紫外線を吸収します。その一方で、木の色を認識するのに必要なさまざまな波長の可視光は、ほとんど吸収しません。そのため、顔料で紫外線を遮る方法とは異なり、木材本来の色や木目を活かしたまま紫外線対策ができます。酸化セリウムには、木材表面に撥水性を与える働きもあります。雨水などが木材内部へ急速に入り込むのを抑え、黒かびなどの生育を抑制します。

紫外線吸収と撥水性の働きは、顔料や塗膜がなくても屋外で一定期間続きます。ただし、その持続期間は樹種や使用環境などによって異なり、木材の経年変化を完全に止めるものではありません。また、一部の樹種では、塗布によって木材本来の色が深く見える場合があります。

色を足さず、塗膜もつくらない。木目を見せたまま屋外木部を守る表面処理剤「CerPlus P105」

外壁からデッキまで。原液を基本1回塗りで施工

想定している用途は、外壁の板張り、ルーバー、フェンス、屋外家具、ベンチ、デッキなど、木材の自然な外観を活かしたい屋外の木部です。乾燥した無塗装の木地に、原液のまま刷毛またはローラーで塗ります。施工は基本1回塗りです。新材だけでなく、表面をきれいにした既存の木材にも使えます。

塗膜を形成しないため、塗膜特有の剥離や膨れは生じません。表面がグレー方向へ変化してきたら、水または中性洗剤で洗浄し、十分に乾燥させてから再塗布します。旧塗膜を剥がす作業は必要ありません。樹種による色の出方、垂直面と水平面での効果の違い、再処理の方法、よくある質問は、製品ページで紹介されています。

  • 製品名:CerPlus® P105
  • 製品区分:屋外木材用紫外線吸収・撥水剤
  • 製品形態:水系分散液、顔料・殺生物剤不使用
  • 主成分:酸化セリウム(CeO₂)ナノ粒子
  • 主な用途:屋外木部、外壁羽目板、ルーバー、フェンス、屋外家具、デッキなど
  • 塗布方法:刷毛またはローラーによる基本1回塗り
  • 塗布面積:5~10m²/L(樹種、表面仕上げ、吸込みにより異なります)
  • 製造元:ENERGENICS EUROPE LTD.(英国)
  • 国内販売元:池上産業株式会社

製造元のEnergenics社は、英国オックスフォード大学のナノテクノロジー分野から生まれた企業です。酸化セリウムナノ粒子の製造・分散技術を専門とする特殊化学品メーカーで、EUの共同研究プロジェクト「WOODLIFE」などに参加しながら、酸化セリウムナノ粒子を使った紫外線吸収技術の研究開発を進めてきました。CerPlus Pシリーズは、同社のナノ材料技術と木材表面処理の研究をもとに開発された製品です。

出典:池上産業株式会社

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