別府・上人ヶ浜公園の松林に溶け込む複合型リゾート「TKP SHONIN PARK」が2026年度グッドデザイン賞を受賞

株式会社TKPが大分県別府市で運営する複合型リゾート施設「TKP SHONIN PARK(ティーケーピー ショウニン パーク)」が、「2026年度グッドデザイン賞」を受賞しました。受賞カテゴリーは「建築(産業/商業施設)」です。舞台は、別府湾に面した上人ヶ浜公園です。豊かな自然環境を生かして宿泊・温浴・飲食などの機能を融合し、公園全体をめぐりながら過ごせる場所としてつくられました。

審査委員が評価した、建築と松林が一体となった景色
審査委員は、コモンスペースである松林のあいだに体験型の施設を「こっそり組み込んだ」と思わせるような、思わずにやりとしてしまうような、ある種の大胆さが楽しいデザインだとコメントしています。公園はもともと建築のための敷地ではありません。それでも建築がそこに居候させてもらうことで、公園、ひいては地域の価値が高まるとし、それがPARK-PFIの意義であることを再確認できるデザインだと述べています。その観点から、建築と松林が一体となった景色としてグッドデザインと評価されました。
施設はPark-PFI制度を活用して整備されています。上人ヶ浜公園の松林と海景という固有の風景を、「保存する対象」だけでなく、「地域体験を生み出す資源」として再解釈しました。個々の建築物にとどまらず、風景・動線・滞在行為が連続する公園全体の体験価値を重視しています。そのうえで、ランドスケープ・プログラム・建築を一体的に計画しました。

デザインを読み解く3つのポイント
コンテナと木造で、風景の一部になる建築
上人ヶ浜公園には200本以上の松林があり、起伏のある地形と別府湾を望む景観が広がっています。既存の松林は極力残され、木々のあいだを縫うように宿泊コテージなどが配置されました。建築にはコンテナと木造を中心に採用しています。建物の規模や配置、周囲の余白を調整することで松林の連続性を保ち、建築そのものが公園の風景の一部となるよう設計されています。施工時に出土した素材を石積みのセキュリティマウンドに活用するなど、資源の有効活用にも取り組んでいます。
宿泊・飲食・温浴が緩やかにつながる滞在
宿泊・飲食・温浴・食物販などの機能は、公園内に分散して配置され、互いに緩やかにつながっています。宿泊の合間に公園を散策したり、温浴施設でくつろいだあとに食事を楽しんだりと、目的や時間に縛られずに過ごせる空間を目指しました。滞在体験の核に据えられているのが、地域で長年親しまれてきた市営の海浜砂湯です。従来の風景や文化を受け継ぎながら、利便性と安全性を高めた温浴施設としてリブランドされ、地域固有の温泉文化を新たな滞在体験へとつないでいます。
公園全体をめぐる回遊性と、一体的な空間デザイン
園内の動線は、施設間を移動するためだけのものではありません。散策するうちに新しい景色や過ごし方に出会える回遊性を重視しています。既存の景観を分断しないよう園路や各施設の配置が工夫され、公園全体を自然に巡ることができます。また、建築やサインに使う素材も統一的に計画されており、周囲の自然環境と調和しながら利用者を自然に導く、一体感のある空間になっています。
こうした空間づくりによって、公園本来の公共性を生かしながら、地域住民の日常と観光客の滞在が自然に交わる新たな公共空間を生み出しています。

施設の概要
「TKP SHONIN PARK」は2025年7月24日に開業しました。公園の再生と観光価値の向上を図るとともに、地域住民が集う空間を創出し、別府市の新たなランドマークとして訪れる人に特別な体験や発見を提供するとしています。
- 名称:TKP SHONIN PARK
- 所在地:大分県別府市上人ケ浜町795-1
- アクセス:【徒歩】JR日豊本線「別府大学駅」より3分/【車】別府ICより15分、JR日豊本線「別府駅」より10分
- 開業日:2025年7月24日
- 主な施設:宿泊コテージ「ISHINOYA 別府」、別府海浜砂湯「Sand SPA」、レストラン「Grill Takka」、ショップなど
グッドデザイン賞は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する、日本を代表するデザインの評価・推奨制度です。製品や建築、サービス、取り組みなど幅広い分野を対象に、デザインを通じて暮らしや社会をより良くする取り組みを評価しています。
出典:株式会社TKP








