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配筋写真の撮影が「2〜3日」から「数時間」に 京王建設が駒込のマンション現場で「トッタロー」を導入

配筋写真の撮影が「2〜3日」から「数時間」に 京王建設が駒込のマンション現場で「トッタロー」を導入

京王建設株式会社は、(仮称)豊島区駒込1丁目9番地マンション計画の作業所で、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社(以下、PxDT)の配筋検査DXサービス「トッタロー」を導入しました。トライアルを経ての導入で、配筋検査のたびに発生する写真の撮影・整理・帳票化の流れを見直しています。作業所の田部所長と大参氏、本社建築本部の當麻氏が、導入の経緯から効果、今後への期待までを語りました。

インタビューに応じる當麻様
インタビューに応じる當麻様

記録業務が、確認や判断に使う時間を圧迫していた

導入前は、写真を1枚ずつ撮影し、確認・整理したうえで帳票にまとめる作業に相応の時間がかかっていました。當麻氏は、記録業務を効率化し、本来時間をかけるべき確認業務や判断、施工検討により多くの時間を使えるようにしたいと考えていたといいます。同社はすでに他社のデジタルツールも活用しており、マグネットや黒板を設置して回るような撮影は最近は行っていませんでした。それでも撮影という行為自体は従来どおりで、写真の整理にも手間が残っていました。

撮影と整理は作業所の社員と派遣スタッフが担い、外部の撮影委託も利用していました。ただ、委託先については希望する時期に必ず人員を確保できるとは限りません。撮り残しが出れば所員が追加で撮影するか、日程を再調整する必要がありました。外部人員の手配に左右されにくい方法も求められていたのです。

インタビューに応じる大参様(左)・田部所長(右)
インタビューに応じる大参様(左)・田部所長(右)

決め手は「人が最終判断する工程」を残した効率化

トッタローを知ったのは、2025年12月の展示会(建設DX展)でした。配筋写真の業務を効率化できるものを探していたところ説明を聞き、撮影から整理までの一連の写真の流れがかなり楽になりそうだという印象を持ったといいます。

當麻氏は、AIや画像認識の技術が進化している一方で、人が最終判断する部分は現状残っていると話します。そのうえで、記録業務を効率化できる「今の最適解」であることが大きな決め手になりました。整理と帳票化はある程度任せられるため負担が減ると見込んでいた一方、現場での撮影はこれまでと少し違うやり方になるため、うまくいくかという懸念もあったそうです。トライアルで実際に現場での撮影を経験し、「いけそうだ」という手応えを得たことで、本格的な導入に至りました。

インタビューの様子(當麻様(左)・大参様(中央)・田部所長(右))
インタビューの様子(當麻様(左)・大参様(中央)・田部所長(右))

付帯作業が減り、撮影のタイミングを現場で決められるように

大参氏が大きな改善点として挙げるのは、配筋写真のための準備や撮影、整理、帳票作成といった付帯作業を減らせたことです。配筋写真は品質を残すための重要な記録ですが、撮ること自体が目的ではありません。短縮できた時間を配筋の確認や施工検討、工程・安全管理といった別の業務に振り分けられれば、建設現場全体の生産性向上や時間外労働の削減にもつながると考えています。もう一つの変化として、外部人員との日程調整に左右されにくく、現場の進捗に合わせて撮影できるようになった点も挙げました。

田部所長が過去に行った写真撮影は、マグネットを持って行き、ロッドを設置し、アングルを決める……という昔ながらのやり方で、下手をすると2~3日かかっていたといいます。それが見ている感じでは数時間になっている印象だと話します。PxDTが他現場で集計した範囲では、撮影工程の工数は70〜95%程度の削減が確認されており、駒込1丁目の現場についても、工事の完了時点で削減実績を取りまとめる予定です。写真帳票の品質も問題はないとの評価で、デジタルメジャーの精度についても、構造監理者に確認してもらったうえで問題なく運用できているそうです。

アラートシートと360度撮影が確認を後押し

當麻氏が一番の評価ポイントとするのは、整理から帳票化までを支援してもらえる点です。使い始めてからはデジタルメジャーの当て方やデータの受け渡しなどでやり取りがありましたが、レスポンスよく柔軟に対応してもらえていると話します。田部所長も、当初はデジタルメジャーの当て方などに気になるところがあったものの、今は問題ないとのこと。役立っているのが「アラートシート」で、これはトッタローが写真を納品する際に提出するシートで、写真帳票の作成で気になったポイントをまとめたものです。所長の立場からすると、ピンポイントで「ここを確認してください」と示されることで、「これはいい」「これはどうなっているんだろう」と見るきっかけになるといいます。また當麻氏は、360度で撮影しているため、何かあったときに動画から確認できる点も助かっていると語りました。

改善要望と、AIとの役割分担

率直な改善要望も出ています。田部所長は、鉄筋径が写真で分かるようになれば別撮りが不要になること、カットオフや定着も動画内でデジタルスケールを当てられれば別撮りの時間を減らせることを挙げました。ARマーカーの登録業務にやや時間がかかっている点も指摘しています。ARマーカーの登録は、これまで所定のExcelシートへの入力をお願いしていましたが、設置場所とマーカー番号が分かればメモ書きでの受け渡しでも対応できるよう運用が見直されました。鉄筋径や定着・カットオフへの対応も、PxDTが機能拡充を検討しているテーマです。

話題はAIと現場の役割分担にも及びました。田部所長は、AIに任せきりになると現場を見る力がなくなり、鉄筋がどうなっているのかよく分からない現場係員が出てくるかもしれないと懸念を示し、現場の人が時間をかけて実施する仕事とAIに任せていい仕事を明確に分けていく必要があると語ります。PxDTも、AIによる画像認識で帳票作成の自動化を進める一方、最終的には必ず人が確認したうえで納品する体制を維持していく考えです。

こんな現場で効果が大きい

田部所長によると、この現場は20m角ほどの規模ですが、柱の符号がすべて異なるといいます。インタビューでは、トッタローが向く現場として次のような点が挙がりました。

  • 符号の種類が多い現場:柱の符号がすべて異なる、記号が多い、セットバックで断面が細くなっていくなど、符号が増えるほど「範囲内を一気に撮れる」メリットが大きい。他社設計の場合はなおさら
  • 撮影を外部委託している現場:委託先の人手や日程に左右されず、鉄筋の進捗に合わせて自分たちのタイミングで撮影できる
  • 配筋写真の撮影を主体的に進めたい現場:準備・撮影・整理といった付帯作業を減らし、検査や施工検討に時間を使える

當麻氏は、初めから「トッタローで配筋写真の撮影を実施する」と決めておき、効率よく撮影できる手段を持って自分たちの判断で主体的に進められる状態にしておくことに価値があると話します。田部所長も、鉄筋工事の進捗は日々変わるため外部業者に依頼する場合は撮影可能なタイミングとの調整が必要になるが、自分たちで撮れるなら「じゃあこの日に撮ればいい」で済み、いつでも撮れると思えるのは安心感があると語りました。社内の他現場でも、符号の多い現場ではより大きなメリットが期待できるといいます。

出典:ピクシーダストテクノロジーズ株式会社

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